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お城

 「ku:nel」56号(マガジンハウス)に「ウェールズ・ヘイオンワイへ。本の王国探訪記。王さまはどこにいる?」という記事がある。ウェールズの古本の町、ヘイオンワイ。イングランドとの境近くにあり、23軒もの古書店がひしめく。地図の中心部分にはCastleの文字があり、そこにも書店がある。ブース氏が70年代にこの城を購入して書店を開いた。氏は77年に本の国の建国と母国からの独立を宣言し、自身を王と称している……という、誇大妄想のような本当の話。
 読みながら、別のお城のことを思い出した。

 8年くらい前、吉祥寺の絵本専門店「トムズボックス」に行った。壁に飾られた絵を見ているあいだ、カウンターの店員さんはずっと電話をしていた。新しい作家との打ち合わせのようで、展示の日程や点数を早口で話している。最後に名前の漢字を確かめた。
「しろ、はcastle? 王さまの住んでいる?」
 びっくりした。さすが絵本の店だと思った。王さま、と人が口に出すのを聞いたのはいつぶりだろう。日常会話が、おとぎばなし。言葉の使いかたに暮らしかたが現れるんだ、うわべだけ取り繕ってもだめなんだなと思った。

 と、当時は思ったのだが、今もう一度考えてみると「王さま」は絵本の中だけじゃなくて歴史上にも外国にもいるし、おとぎばなしとして捉えるほうが偏っていた気もする。首里城にも王様はいた。
 大城さんや城間さんに、自分の名前をどう説明するか聞いてみたい。

Posted by uchinan : 13:36 | Page Top ▲