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田園書房宜野湾店

 田園書房宜野湾店が、3月末で閉店する。
 2フロアで決して棚がたくさんあるわけではないけど、よく目配りのされた店だと評判が高かった。私は車もないので2回くらいしか行ったことがなかったのだが、どうにか乗れるようになったので行ってみた。
 何列かの棚はすでに空になっていて、キュッとまとめて並べられたジャンルや、消えてしまったジャンルもある。レジには30%オフの文具を買う人とDVDをレンタルする人が並ぶ。雑誌コーナーはなにごともなく賑わっている。夜23時。この店がなくなったら、このお客さんたちはどこに行くのだろう。

 ジュンク堂書店新宿店も3月末で閉店する。店員たちの最後のフェアが話題になっている(朝日新聞の記事)。
 フェアが「本当はこの本を売りたかった」と名づけられているために、
「それなら最初から売ればよかったじゃないか」
という批判もあるようだけど、もちろんずっと売っていたはずだ。こんなふうにまとめて売り出すことをしなかっただけで、新刊台にいつまでも積んでいたり、棚の隅に差したりして、欲しい人にきちんと渡す準備をしていたはず。

 田園書房に行った翌日、吉本隆明の訃報を聞いて、書店の人たちの動きを想像する。ありとあらゆる著作に発注をかけるのか、自分の知識や経験から絞りこむのか、とりあえず出版社からのFAXに返送するのか、あえてフェアはやらないのか。もう閉店してしまう書店は、これから大きく動くのは難しいだろう。
 人の死を食い物にするなんて、という批判がここにもたぶんある。そういうことを考えながらも、他人の関心を愚直に追いかけていくしかない書店の仕事は、つらいこともある。

Posted by uchinan : 13:16 | Page Top ▲