高文研

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出会い

 2010年7月、ボーダーインクから『沖縄本礼賛』が出版された。9月に著者の平山鉄太郎さんが東京から来沖され、刊行記念の集まりが開かれた。私も参加して、そこで沖縄の古本屋の方々に初めて会った。

 『沖縄本礼賛』は、平山さんが2001年の沖縄旅行で沖縄本に目覚めて以来、あらゆる手段を駆使して沖縄本を集めまくった記録である。アマゾンやヤフー・オークション、日本の古本屋といったサイトは鉄板として、東京の古本屋で目を皿のようにして沖縄本を探したり、沖縄の古本屋に電話をかけたりと、地道な蒐集活動は今でも続いている。

 何をどこで買ったのか把握されているのかは知らないけれど(されていそうだ)、沖縄の古本屋から買ったものが一番多いのではないだろうか。沖縄本は、沖縄でつくられて沖縄で売られて沖縄で読まれる。船に乗って島の外に出ていく本は少ない。読まれた本は沖縄の古本屋に売られ、また沖縄で買われる。平山さんは沖縄で回り続ける本を、東京に集めているわけだ。

 平山さんが誰よりお世話になっているであろう古本屋の人たちが刊行記念の会にいらっしゃるのは自然なことなのだけれど、古本屋と出版社、そして新刊書店の私が同席しているのは不思議な感じがした。東京では古本屋の人と直接関わることはなかったし、どちらかといえば敵対関係にあるように思っていた。

 沖縄では、古本屋が沖縄本を新刊で仕入れることも珍しくない。土産物屋も雑貨屋も、自然に新刊を置いている。本を売るのは新刊書店だけじゃない、みんなで売ればいいというおおらかさがある。そんな土地柄だからこうして一緒に飲めるのかなと思いつつ、初めて出会う古本屋という職業の人たちに緊張して、あまり話せなかった。風邪気味でもあった。

 なのに帰りそびれて2次会のカラオケに行き、歌わずにいたら文華堂の濱里さんに「歌も歌えなくてどうするのか」と怒られた。濱里さんは『沖縄本礼賛』に店先で泡盛をふるまう豪快な古本屋店主として登場する。イメージ通りだった。
 今もいつも鼓舞してもらっている。冬でも半袖の濱里さん。

Posted by uchinan : 14:46 | Page Top ▲

大市

 今日は朝から沖縄古書組合の大市があった。2ヶ月に1回ある業者間の市が、年末は部屋の数も時間も倍、出品数は倍以上の特別版になる。朝9時に北中城に集合し、夕方5時まで。そんなに長時間何をするのかと思ったけれど、本を並べて、見て回って、入札して、開札して、あっというまだった。熱気とあまりの冊数に息がつまって何点か見落とした。でも楽しかった。

 いったん解散してから、新都心で忘年会。肉を焼く。女性4人でテーブルを囲んでいたら組合会長で榕樹書林社長の武石さんがやってきて、
「沖縄の古書組合の女性比率は全国一」
というお話をされる。
「組合員が増えているのは沖縄だけ」
とも。
 どうにか盛り上げていこうと激励されても、まだ自分のことで精いっぱいだ。まずは来年もこうして大市に参加できるよう、1年無事にやっていけますように。

 終わったあと、有志はカラオケに流れる。濱里さんの「行こうよ」という誘いをお断りしながら、去年の9月のことを思い出した。自分が古本屋になるとは全く思わずにいたころ、同じように濱里さんに誘われたことがあったのだ。このときは、行った。

 つづきます。

Posted by uchinan : 23:49 | Page Top ▲