高文研

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古本とコーヒー

 那覇のパラダイス通りから路地を入ったところに、「ひばり屋」というお店がある。路地の途中に塀があり、塀の向こうに庭があり、庭の奥に屋台があり、屋台にコーヒーがある。沖縄に来たばかりのころ、
「ここ、コーヒー屋さんなんだよ。今日はお休みみたいだけど」
といわれて、
「ここが!?」
と信じられなかったほど、店としてありえない場所にある。でも、あとで行ってみたらとても居心地がよくて、ときどき通うようになった。

 今日は昼から、若狭の古本屋「ちはや書房」さんが出張販売されているのを見に行ってみた。
 ちはや書房さんは水木しげるを激推ししつつ、沖縄本もその他のジャンルもバランスよく揃え、新刊や雑貨も扱っている。圧巻なのは壁面の文芸書で、眺めていると、忘れかけていた血がワーワー騒ぐ。

 今日はかわいい本が多いのかなと思いながら棚を見ると、ところどころに茶色い函入りの本や、カバーのない古い本も置かれている。
「ひばり屋さんのお客さんは本好きな人が多いんですよ」
とちはや書房さんに聞いても、でもまさかここで……と半信半疑だった。

 が。横目で見ていると、売れていく大半はかわいい本なのだけど、茶色い本もまれにまじっている。買っていくのはかわいい女性である。なぜここでこれを、と聞いてみたいくらいである。
 ジュンク堂の袋を持っている人も何人もいた。
「いつも寄ってから来るよ」
と話している。みんな本が好きなんだな。私なんかには推し量れないくらいに。
 古本とコーヒー、定番だからこそ、侮れない組合せなのだと知った。

 札幌では古本とビールの店「アダノンキ」に連れて行ってもらった。私の父のふるさとの、「あら川の桃」を使った「箕面ビール」を飲んだ。
 那覇の牧志公設市場の向かいにある古本屋「とくふく堂」は、古本とソーダ。伊江ソーダを出している。(でも今月末で閉店。伊江ソーダは完売してしまった。)途中までヤギミルクもあった。古本とヤギミルク。
 はてさて。

Posted by uchinan : 19:41 | Page Top ▲

世界のウチナーンチュ大会

 先週の水曜日から日曜日にかけて、「世界のウチナーンチュ大会」が開かれた。町には「世界のウチナーンチュ」があふれ、あちこちで英語やスペイン語が聞こえた。南米ファンである私には楽しい日々だった。

 シアトルから来た男性と話をした。30年ぶりの沖縄だという。
「山之口貘を探していて、たまたま入った古本屋で見つけて感激した。この1冊を買いに来たようなものだ」
金子光晴が編集した『山之口貘詩集』(彌生書房)を買ったそうだ。
「このふたりほど豪華な組合せはない」
とのこと。
 去年、原書房から詩集が復刊された話をすると、
「それはすばらしい仕事」
と大きくうなずいていた。
 世界のウチナーンチュたちがまた5年後に帰ってきたとき、喜ばれる本屋になりたい。

 この男性が入った古本屋は「ガラクタ文庫」さん。奥武山公園近くでの営業を10月15日に終えて、11月に引越しして新装開店される。
 私が男性に出会ったのは「ぼんぼれな書庵」さん。「An庵」というゲストハウス兼古本屋で、いろいろ面白いことをされている。
 両店とも、いつもお世話になっています。

 私の本屋はどうなるのかというと……牛の歩みで進んでおります。

Posted by uchinan : 22:58 | Page Top ▲

詩集みやらび

 横浜に帰ったら、古本屋を回ろうと思っていた。住んでいたころもあちこち通ったけれど、それは自分の好きな本を集めるためだった。今回のテーマは、沖縄本。東京で埋もれている沖縄本を発掘してみたい。

 その大先輩が、『沖縄本礼賛』(ボーダーインク)の平山鉄太郎さんである。沖縄の業界人なら知らない人はいない、東京の沖縄本コレクター。9年間で4000冊の沖縄本を集めた猛者に、沖縄本探しのコツを聞かなければ。
 メールを送ってみたら、すぐに丁寧なお返事をくださった。コツコツ拾っていくしかないから足で探すのは大変で、 「100円均一の棚で知念榮喜の詩集の初版が見つかるなんていうのは、ほとんど奇跡です。」とあった。

 詩集の話は『沖縄本礼賛』の66ページに出てくる。
 荻窪の、ささま書店の外には100円均一の棚があり、掘り出し物が多くていつも人だかりができている。平山さんは、この棚で知念榮喜のH氏賞受賞作『詩集 みやらび』を発見された。相場6000円の本が、100円。これだけでもうれしいのに、なんとこの本は市場に出回っている「普及版」ではなく、「限定500部」の初版だったのである。「沖縄本の神様が舞い降りる」エピソードである。

 私は初心者だから、ありふれた本でも少しずつ出会っていければいい。そう思って巡りはじめたら、沖縄本はあちこちにあった。1冊もない店のほうが少ないくらいだ。平山さんが書かれているように、沖縄本はあらゆるジャンルに存在するから、隅から隅まで見る。と、何かしら見つかる。もう買えないのに、持てないのに、見つかってしまう。

 初日は荻窪と西荻窪に行った。ささま書店の100円棚では沖縄本1冊と、自分の趣味の本を何冊か買った。中に入ってもっと買った。

 2日目は阿佐ヶ谷に行った。新しい古本屋もできていて、買いすぎた。このあと高円寺と中野も回るのにと思いつつ、駅に向かう途中でもう1軒立ち寄ってしまう。何度か入っても買ったことはない店だったから、油断していたのだ。

 詩集の棚を見ていたら、あった。『詩集みやらび』が。奥付を見ると、「1969年11月11日発行 限定500部」。値段は、平山さんの買われた22倍。とはいっても。
 出会ってしまった。ビギナーズラックというものだろうか。記念に買った。

 装幀は栃折久美子さん。B5版の詩集は絵本のように眺められて、よい。

Posted by uchinan : 19:04 | Page Top ▲

始業式

 神戸を経由して(滞在時間30分)札幌に行き、そして横浜に長々と居座って、那覇に帰ってきた。たくさんの人に励ましてもらいながら、相変わらずぼんやりしていた。いい加減に夏休みは終えて現実を見つめなきゃ。今週中に、いろいろお知らせしていきたいと思います。今日は目の愛護デーです。

Posted by uchinan : 09:06 | Page Top ▲