高文研

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島ぞうり手彫りデザインブック

 バックヤードの床に置かれた段ボールを開けたら、思いもよらないものが出てきた。

『島ぞうり手彫りデザインブック』

 ブランドムックのような箱のなかに、なんと島ぞうりが入っている。よく見ると、[23センチ][24センチ][26センチ]の3種類ある。まさか本屋で足のサイズ別の商品を売ることになるとは…と、出版社のアイデアに恐れ入った。

 島ぞうりとは、沖縄の靴屋で売っているビーチサンダルである。色が10色近くあり、サイズも豊富で、400円と値段もお手ごろ。底が白い面と色のついた面の2層になっていて、白い部分を彫って模様を浮かび上がらせた島ぞうりもよく見かける。

 中でも有名なのが、牧志から読谷に移転されたばかりのマキノコ製作所さん。ここの小山真紀さんがこの本の監修とデザインをされている。附属のブックレットには島ぞうりの掘り方に可愛いデザイン、そして沖縄の風景が載っている。

 消しゴムはんこの本に消しゴムがついているのならわかる。手彫り島ぞうりの本に島ぞうりは、すごい。

 沖縄でこの本は売れるだろうか。
 その辺で400円で売っている島ぞうりに本がついて、1470円。島ぞうりのサイズは3種類で色は選べない。
 ちょっと難しいかもな、と思った。でも、これを買ったらきっとまた違う柄が彫りたくなるから、近所で島ぞうりを買い足すだろう。そのときは色も柄も選び放題だ。最初の練習用だと考えれば、そう高くもない。
 島ぞうりにも島ぞうりアートにも慣れ親しんだ沖縄県民こそ、手に取るのかもしれない。

 かくいう私も沖縄に来たばかりの頃、安里のこぺんぎん食堂で見た島ぞうりアートに感激して、帰りに平和通りの靴屋で島ぞうりを買った。もちろん彫れず、そのまま履いている。

Posted by uchinan : 23:52 | Page Top ▲

年中カチャーシー

 2階の沖縄本コーナーのBGMを、約10ヶ月ぶりに替えた。『年中カチャーシー』。
 沖縄本コーナーには沖縄のCDも置いていて、ほとんどをキャンパスレコードから仕入れている。キャンパスは納品のときにときどきサンプルをつけてくれる。久しぶりにサンプルをくれたということは、一押し商品なのだろう。

 那覇店が開店して少し経ってから、沖縄本コーナーでCDをかけよう、と店長にいわれた。最初は素直に「沖縄の歌ベスト盤」のようなものを流していた。しばらくすると飽きて、他のにする。その繰り返しだった。

 去年の11月、県立図書館の開館100周年にあわせて「山之口貘文庫」が開設された。店にポスターを貼らせていただき、フェアをして本を並べ、ジュンク堂のPR誌「書標」2010年12月号に原稿を書き、図書館の記念イベントにもぐりこんで貘の長女である泉さんの講演も聞き、個人的に大いに盛り上がった。

 貘の著書や関連書は品切れが多く、商品を集めるのに苦労した。そのとき、ふと思いだした。
「そういえばCDがあった」
 前にいた店で沖縄県産本フェアをしたときに、『貘 詩人・山之口貘をうたう』というCDが入っていた。高田渡、大工哲弘といった名前を見て、面白そうだなと思ったのを覚えている。
 キャンパスに注文したら、すぐに入ってきた。「できればサンプルも」と書き添えたのだがこれはもらえなかったので、自分で買って流した。

 これがすばらしいCDで、どれだけ聞いても飽きることがない。棚の近くを通ると元気が出る。お客さまにも気に入っていただけたようで、何度か追加をかけた。クリスマス前に、レジの子がこのCDをラッピングしているのをたまたま見かけて、とてもうれしかった。これをここで買って誰かに贈ろうという人がいるなんて!

 そうして半年以上も『貘』を流していたのだが、売れ方もさすがに鈍ってきて、替えどきなのかなと思いはじめていた。
 そこに現れたのが『年中カチャーシー』である。姉妹編に『年中エイサー』もある。「年中」というのがいい。毎日がお祭りである。

 ジュンク堂近くの市場中央通りでは、先月24日から毎日、午後4時になるとカチャーシーを踊っている。「日本が元気になるまで」続けるらしい。カチャーシーの前にはラジオ体操で体をほぐすらしく、市場の方々もそっと手を伸ばしたりしているそうだ。今度、見に行きたい。

Posted by uchinan : 00:22 | Page Top ▲

沖縄県産本6月ベスト

 7月になった。早くも夏ばて。
 ジュンク堂書店那覇店の6月の沖縄県産本の売上ベストを紹介します。
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1.沖縄苗字のヒミツ(武智方寛、ボーダーインク)
2.やんばる樹木観察図鑑(與那原正勝、沖縄教販)
3.蔡温の言葉(佐藤亮、ボーダーインク)
4.沖縄人世界一周! 絆をつなぐ旅!!(長濱良起、編集工房東洋企画)
5.薩摩侵攻400年 未来への羅針盤(琉球新報社・南海日日新聞社編著、琉球新報社)
6.ウーウートイレ(アンクル・カヤ、ボーダーインク)
7.のりひで 沖縄戦・小さな命の物語(あけびの会、なんよう文庫)
8.よくわかる御願ハンドブック 増補改訂版(「よくわかる御願ハンドブック」編集部、ボーダーインク)
9.琉球・沖縄史 ジュニア版(新城俊昭、編集工房東洋企画)
10.訳注中山世鑑(首里王府編著、諸見友重訳注、榕樹書林)
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 今月は半分以上が新顔で、眺めているとウキウキする。

 『やんばる樹木観察図鑑』は、前に「品切れになった」と書いたのだが、6月初めに重版された。今までなかったISBNとバーコードもついて、探しやすくなった。
 『のりひで』も、重版されてISBNとバーコードがついた。沖縄戦の語り部である安里要江さんの体験をもとに描かれた絵本である。6月11日には那覇店で安里さんの講演会を開催させていただいた。ご本人の著書に『沖縄戦・ある母の記録』(高文研)がある。

 県産本を除くと、『本土の人間は知らないが、沖縄の人はみんな知っていること』(書籍情報社)がダントツの1位である。那覇店全体の週間ランキングでも、何度か1位になった。
 東京にある書籍情報社の代表でこの本の著者でもある矢部宏治さんが、発売前から何度も沖縄に通い、執筆から販売まで全力を尽くした結果であると思う。どうすればひとりでも多くの人のもとに届くかを販路から考え、パネル展やトーク&サイン会にも協力してくれ、イベント前には自らお客さまに声をかけていた。
 本土では「地方小出版流通センター」扱いだが、沖縄では琉球プロジェクトという取次を通している。先月、1階にある「沖縄県産本コーナー」を「県産本ネットワーク」の皆さんと一緒に入れ替えていたら、琉球プロジェクトの仲村渠さんがこの本も持ってきていて、少なからず驚いた。自分のところで扱う本は「県産本」と認知していらっしゃるのか、内容に共感されたのか、それはわからない。ただ、出版社や著者の出身や住所が沖縄でなくても「県産本」だと考えてもいいし、周りも特に何もいわないということが、ちょっと楽しかった。

Posted by uchinan : 21:50 | Page Top ▲