高文研

トップページ >> 『母たちの神』

『母たちの神』

 出版舎Mugenの上間さんから、『母たちの神』の返品が出たので納品したいと電話がかかってくる。

  『母たちの神』は、昨年末から今年初めにかけて沖縄県立美術館で開催された企画展「母たちの神―比嘉康雄展―」の図録である。比嘉康雄は、久高島のイザイホーなど、部外者が入りこむこと自体が許されないような祭祀を長年にわたって撮り続けた。2000年に亡くなった写真家の初の回顧展ということで、店でも前売券を販売したり、『母たちの神』を『生まれ島・沖縄』『神々の古層』全12巻(以上ニライ社)や『日本人の魂の原郷 沖縄久高島』(集英社新書)とともに大きく展開したりした。

 なかなか売上に結びつかなかったのだが、ある日、急に問い合わせが増えた。NHKの「日曜美術館」で紹介されたのである。店頭のお客さまからの問い合わせより県外からの電話が多かった。代引きで配送したり他店に送ったりして、あっという間になくなってしまった。追加の注文を出すと、他の本屋からの返品待ちと言われ、3ヶ月ほど欠本状態が続いたのである。
「再入荷したら必ずご連絡ください」
としつこく言っていたので、電話をくださったのだ。

 電話のあと、すぐ納品があった。出版舎Mugenは店の真向かいのアパートの一室にある。上間常道さんが一人でやっている出版社で、最初の本『琉球の国家祭祀制度』が出たのが2010年3月。ジュンク堂書店那覇店の開店と同時期である。上間さんはよく知られた辣腕編集者で、恐れ多く思いつつ接してきたけれど、昨年の忘年会で新たな一面を見ることができ、親しみがわいた。あんなふうに酔っぱらってみたい。

Posted by uchinan : 22:56 | Page Top ▲